ご実家の改装工事をしたご縁で、築40年のお家のキッチンをリノベーションしました。はじめておうちを訪問した日は初夏。
庭に娘さんがスペインで種を手に入れたという紫色の花がきれいに咲いていました。
「空間建築工房でリフォームをした姉さんたちが、あまり良かった良かったというから、私もやってみたくなって。」とおっしゃるお施主様からは、
些細ながらも肝心なリクエストがたくさんありました。 キッチンと和室、2部屋を使いやすくしようという大前提のもと、お施主様は一生懸命お考えになりました。
このおうちでは部屋を少しだけ増築して、ダイニングテーブルの周りを楽に通れるようにしました。ゴキブリが気になっていたので、素材の照りが撃退につながるステンレスのキッチンとし、給湯は光熱コストの安いエコキュートで電気式、調理はご飯がおいしく焚けるようガスコンロとガス釜を併用しました。
和室の扉や廊下への扉も、背を高くして開けたときに開放感があるようにしました。さらに床や畳下にはエコキュートによる床暖房を採用しましたので、はだし派の施主様でもとても快適に冬を過ごしていただけます。
あまり熱心に細かいことを打ち合わせたので、工事直前までころころ変わる指示に他のスタッフが困惑気味でしたが、私自身、お施主様のキッチンへの迷いは良くわかるのです。結局3日に空けずお家に通って、悩みにとことん付き合い、工事中もそれが続きました。
施工する大工さんがすぐそのペースに馴染んでいろいろな意見を聞かせてくれたので、結果はみなが満足できる仕上がりとなり、大成功でした。
『あなたたちはいいことばかり言わない、悪いこともちゃんと教えてくれる。そのような人に言われた言葉を信じるわ』とはお施主様の談。これからもそれにこたえられる知識と熱意をいつも持っていたいと思います。
廊下の収納から始まって、キッチン、風呂場、床暖房と、次々とリフォームされたお施主様。現在の住み心地を聞いてみました。
リフォーム後はとても気分がいいです。床暖房がとくに良かった。テレビの部屋でつい寝転んでウトウトと寝てしまって。何ていうのかな、そこに居たい・・・という気持ちなんですよ。それから常に掃除をするようになりました。娘も家がキレイになったね!と言ってくれるし、息子は温かいなあと喜んでくれます。
リフォームは暑い盛りからはじめて冬までかかっちゃったけど、大工さんも一緒になってみんなで悩みながら進めることができました。お客さんの言うとおりにするところが多いと思うんだけど、空間建築工房は「こういう理由だから、この方がいいですよ」と言ってくれる。だから私も疑問があればそのつど聞けるわけで、あるとき夜中にふと思いついて、疑問を書いてファックスで送ったりして。ガスレンジをどこに置いたら落ち着きがいいか・・・とか。(笑)
ウチによく来てくれた大工さんは、ひょうきんで面白い人。でも細かいところもよく見てくれたよ。趣味は魚釣りらしくて、時々魚を持って来てくれてね。
私はつい「またアジかね・・・」と言ってしまったけど(笑)