白い箱のような家、というのは、建築士として誰もが手がけてみたいデザインです。とはいえ庇のない家は、雨に混じったホコリ汚れで外壁を汚してしまう
ことになるので今まで躊躇していました。スペイン漆喰・エスタコウオールの自浄作用がなければ実現させられなかった箱の家、白さを保っていつまでも
輝いていてほしいと願います。
住宅の製造工程では、クロス→タイル→家具→カーテンが順番に取り付けられていくわけですが、工程が進むたびに「わぁ、いい感じ!」となっていきます。
わたしがここで強調したいのは、「カーテン」の部分です。
一番最後に決められるカーテンは、予算の関係上や打ち合わせの順番から、「まぁまぁどうでもいい」もしくは「もう考えることに疲れた」と言う扱いを受けがちな存在です。しかし、そのカーテンが最後に取り付けられるたび、「やっぱりカーテンまでを、コーディネイトして良かった」と思います。カーテンが決まると、部屋がキマリます。最後まで自分で考えつくす、という根気が大切だと思います。
丸柱は、表情がやわらかくて部屋にもよく合うアイテムです。
ピーラーという木を一本一本、芯に合わせて削って作ります。 本物の木なので、建ててから数年は脂(やに・樹脂)が出るという難点がありますが、それはあくまで人間の都合で、ほんとうは粘り気のある樹ほど長持ちするので、難点どころかセールスポイントなのです。
1)はじめに丸柱ありき、が良くわかる構造写真。
この段階では、まだ床は四角くえぐられ、丸柱と床板に隙間ができています。
2)仕上がった状態。隙間は全然ありません。
3) 建っている柱のカーブや間隔にあわせ、床板を半円に切り取っています。仕上がりはきれいですが、これは特に器用な5人のうちの一人が加工しました。
ちらっと見えているのは、床暖房のパネルです。